上海の外灘・近代建築・観光

上海は「東洋のパリ」と呼ばれた歴史を持つ都市だ。1840年代から始まった外国租界時代に建てられた西洋建築と、21世紀に林立した超高層ビル群が対岸に向き合う外灘(バンド)の風景は、世界でここにしかない。歴史・近代・文化が凝縮された観光スポットを紹介する。

外灘(バンド / 外滩)

黄浦江(ファンプージャン)沿いに約1.5km続く遊歩道。19世紀〜20世紀初頭にかけてイギリス・フランス・アメリカ等の外国資本が建設した52棟の歴史的建造物が並ぶ。

建物の様式

  • アール・デコ様式(旧香港上海銀行ビル等)
  • ネオ・クラシック様式
  • ネオ・バロック様式
  • 中国的要素を取り込んだ折衷様式

おすすめの時間帯

  • 日没30分前〜夜(17:30〜21:00):対岸の浦東スカイラインのライトアップと外灘の建物が同時に楽しめる黄金の時間帯
  • 早朝(6:00〜8:00):観光客が少なく、地元の太極拳や散歩が見られる

アクセス

  • 地下鉄2号線「南京東路」または10号線「豫園」駅から徒歩10〜15分
  • ビジネス方面は10・14・16号線「小東門」でも近い

フォトスポット

  • 陈毅広場(チェンイー広場)からの構図が定番
  • 夜は「Oriental Viewing Deck」から浦東方面を向いて撮影

浦東スカイライン(対岸)

外灘から見える対岸が、世界的に有名な浦東(プードン)の超高層ビル群。

主要タワー

東方明珠電視塔(東方明珠タワー)

  • 1994年完成の上海アイコン。2つの球体が特徴の独特のシルエット
  • 展望台:3段階(259m・263m・351m)
  • 2球展望チケット:¥209(約2,820円)
  • 259m球内の透明ガラス床:150mの円形ガラス床。高所恐怖症には注意
  • 歴史博物館(上海歴史発展博物館):1階に含まれており、旧上海のミニチュア模型が見られる
チケット種別 料金
2球(263m+259m) ¥209
3球(全て) ¥269
夕食パッケージ ¥368〜408

上海タワー(上海中心大厦)

  • 632mで中国最高・世界2位の超高層ビル
  • 展望台(118〜119階、562m):¥160〜220
  • ガラス張りのツイスト構造が印象的

上海世界金融センター(SWFC)

  • 上部の台形の穴が「瓶抜き」とも「鳥居」とも称される形状
  • 展望台:¥100〜180(3フロア)

フランス租界(旧フランス租界)

1849年から1943年まで続いたフランスの租界エリア。現在も当時の建築・街路樹・雰囲気が色濃く残る上海の「最おしゃれエリア」。

特徴

  • 広い街路樹に覆われた並木道(特に武康路・復興中路が美しい)
  • 欧州スタイルのカフェ・ブティック・アート書店が点在
  • インスタグラムに映える路地歩きが楽しい
  • 週末の朝はジョギングや犬の散歩をする上海市民で賑わう

武康路(Wukang Road)

  • 「最美街道」とも呼ばれる上海一の映えスポット
  • 武康大楼(フランス租界時代の歴史的アパート、船のような扇形の建物)が有名
  • 古いカフェ・書店・パン屋が並ぶ

田子坊(ティエンツィファン / Tianzifang)

打浦路と思南路の間に広がるアート村。石庫門建築の迷宮のような路地に100軒以上のギャラリー・デザインショップ・カフェ・工芸品店が集まる。

アクセス:地下鉄9号線「打浦橋」駅1番出口から徒歩5分

楽しみ方

  • 迷路のような路地を地図なしで歩く(それが醍醐味)
  • 手作りアクセサリー・アート雑貨・中国茶の土産を探す
  • 路地のカフェで一休み(¥30〜60のコーヒーが多い)

営業時間目安:10:00〜22:00(店によって異なる)


豫園(ユーユアン / Yu Garden)

明代(16世紀)に完成した古典中国庭園。5エーカー(約2万㎡)の敷地に仮山・亭・池・廊下が凝縮されている。

アクセス:地下鉄10号線「豫園」駅、または14・16号線「小東門」駅から徒歩10分 入場料:¥40(約540円) 営業時間:8:30〜17:30(入場は17:00まで)

見どころ

  • 龍の壁(九龍壁):壁の上に9匹の龍が飾られた明代の傑作
  • 九曲橋(クジュウチョウ):水面に映る九折橋。橋の上から上海最古の茶館を眺める
  • 三穂堂・点春堂などの堂宇(歴史的建造物)

豫園商城: 豫園を囲む旧市街風の商業施設。明清代様式の建築が並び、土産物・上海料理・工芸品が集まる。南翔饅頭店(小籠包の元祖)もここにある。


新天地(Xintiandi)

1920〜30年代の石庫門建築を改装したハイセンスな商業エリア。飲食・ショッピング・エンターテインメントが集まる。

アクセス:地下鉄10号線「新天地」駅

見どころ

  • 石庫門建築の保存と現代的活用のコントラスト
  • 「中共一大会址」(中国共産党第一回全国代表大会旧址)が隣接
  • オープンテラスで上海の空気を感じながら食事・ドリンク

上海のフォトスポット

スポット ベスト撮影タイム 特徴
外灘(北展望台) 日没後〜21:00 浦東スカイラインとの対比
武康大楼(フランス租界) 朝10:00〜12:00 木漏れ日と歴史的建築
田子坊の路地 14:00〜16:00 昼間の光が路地に差し込む
东方明珠反射(陸家嘴) 黄昏〜日没 タワーと川の反射
九曲橋(豫園) 早朝8:30〜10:00 観光客が少ない時間帯

チケット予約とアクセス情報

主要観光スポットの事前予約が上海ではスムーズな観光につながる。

オンライン購入方法

  • Ctrip(携程): 中国最大の旅行予約サイト。英語対応あり。観光施設の事前予約が可能
  • Klook: 外国人旅行者向けの英語対応チケット予約サイト。東方明珠タワー・豫園・外灘ルーフトップ等の予約可
  • 現地購入: 中国の支払いはWeChat Payか支付宝(Alipay)がほぼ必須。外国人向けには国際クレジットカード対応の「Alipay International」が2023年から利用可能

入場チケット価格まとめ(2026年)

スポット 料金 備考
東方明珠タワー 2球 ¥209 約2,820円
上海タワー展望台 ¥160〜220 118〜119階、562m
上海世界金融センター ¥100〜180 3フロア選択
豫園(庭園のみ) ¥40 約540円
豫園(庭園+博物館) ¥90〜120
外灘観光 無料 遊歩道の入場は無料
田子坊 無料 路地の入場は無料

上海の世界遺産・文化遺産

上海は世界遺産(UNESCO)には登録されていないが、中国国家重点文物保護単位に指定された歴史的建造物が多数ある。

里弄(リーロン)建築:石庫門(シークーメン)を代表とする上海独自の集合住宅様式。1920〜30年代に大量に建設され、現在も保存・活用されている。新天地・田子坊・安福路周辺が代表的。

租界時代の公共建造物

  • 旧上海市庁舎(現・上海市人民政府)
  • 旧横浜正金銀行(現・中国工商銀行外灘支店)
  • 旧汇丰银行(現・浦东发展银行):外灘52棟のうちの代表的建物。内部の天井画が特に美しい

上海の博物館・文化施設

外灘エリアの観光と合わせて訪れる価値がある文化施設。

施設 場所 入場料 特徴
上海博物館 人民広場 無料(要予約) 中国古代青銅器・陶磁器・絵画の一大コレクション
上海当代芸術博物館(PSA) 黄浦江沿い ¥50〜100 現代アート・建物自体も芸術
中国航海博物館 浦東 ¥60 海洋と帆船の歴史。子どもも楽しめる
上海映画博物館 徐匯区 ¥60 中国映画史・撮影機材・スタジオ体験

上海博物館の注意点:週末は混雑するため、平日朝9時のオープン直後を狙う。事前オンライン予約(公式サイトまたはアリペイ)推奨。


旅行者向けTips

  • 外灘は散歩・観光どちらも楽しめるが、週末の夜は非常に混雑する。平日の夕方を狙う
  • 東方明珠タワーはエレベーターで一瞬で上まで行けるが、チケット購入に列を作ることが多い。事前にオンライン購入(Ctrip・Klook等)しておくと良い
  • 豫園は朝一番(8:30〜10:00)が最も空いていて写真を撮りやすい
  • 田子坊は13:00〜14:00ごろから人が増えてくる。午前中は穴場
  • フランス租界の武康路は週末の午前中にフリーマーケットが開催されることがある
  • VPN必須:Instagramでの写真投稿・Google Maps使用・LINEでの連絡にはVPNが必要。中国入国前にアプリのダウンロードと設定を済ませておくこと(中国国内ではVPNアプリのダウンロード自体が困難になることがある)

更新履歴

  • 2026-03-24: 初版作成
  • 2026-03-25: lastVerified更新、チケット予約情報・里弄建築・博物館ガイド・詳細Tipsを追加