上海の交通・アクセス

上海は中国最大の商業都市であり、交通インフラが極めて充実している。リニアモーターカー・20路線以上の地下鉄・高速鉄道と選択肢は豊富だが、外国人旅行者には独自の注意点もある。特に支払い方法(AlipayまたはWeChat Pay)の準備が渡航前に欠かせない。

日本から上海へ

上海には2つの国際空港がある。

空港 コード 特徴 主な航空会社
上海浦東国際空港(PVG) PVG 市中心部から50km。国際便の大半がここ 全日空・日本航空・中国東方等
上海虹橋国際空港(SHA) SHA 市中心部から15km。近距離国際線・国内線中心 一部の国際便あり

日本からの所要時間目安

  • 東京(成田・羽田)→ 浦東:約3時間
  • 大阪(関西)→ 浦東:約2時間30分
  • 福岡→ 浦東:約1時間50分

浦東空港(PVG)から市内へ

リニアモーターカー(磁浮列車)— 世界最速

最速移動手段。最高時速430km(通常運行は300km)という圧倒的なスピードが体験できる乗り物で、観光アトラクションとしても楽しい。

項目 内容
所要時間 約7〜8分(龍陽路駅まで)
運行間隔 約15〜20分
料金 ¥40(約540円)/ 当日の航空機チケットまたは交通系ICカード提示でHALF価格になる場合あり
運行時間 6:45〜21:40

注意:リニアの終点「龍陽路駅」は上海の中心部ではない。そこから地下鉄2号線への乗り換えが必要(さらに30〜40分かかる)。

地下鉄2号線(コスパ最強)

空港→市内中心部まで地下鉄で移動できる。

区間 所要時間 料金
浦東空港→豫園(人民広場方面) 約65分 ¥7〜8(約95〜110円)
浦東空港→静安寺 約80分 ¥7〜8
浦東空港→虹橋空港 約80分(乗り換えあり) ¥10前後

支払い方法

  • Alipay / WeChat Pay(アプリ内の地下鉄QRコードをかざす)
  • MetroManアプリ(英語対応・オフライン可)
  • 交通系ICカード(中国交通联合カード)
  • 2026年から:外国のVisa・Mastercard・JCBタッチ決済が地下鉄ゲートで直接使えるようになった(一部路線・駅から順次拡大中)

タクシー(快適だが高め)

時間帯 料金目安
通常時(昼間) ¥170〜190(約2,300〜2,560円)
深夜(23:00〜5:00) ¥190〜230(夜間割増)

乗り方

  • 正規の黄色タクシーに乗ること。非公式の「黒タク(黒车)」は避ける
  • 行き先を漢字で書いたメモを見せると伝わりやすい
  • ホテルのカードを持参すれば帰りも迷わない

虹橋空港(SHA)から市内へ

虹橋空港は市中心部に近く移動しやすい。

方法 所要時間 料金
地下鉄10号線 約30〜45分 ¥3〜8(約40〜110円)
タクシー 約55分(渋滞考慮) ¥100〜150(約1,350〜2,025円)
DiDi 変動 ¥20〜35(約270〜470円)程度

上海地下鉄

21路線以上が市内をカバーする巨大なネットワーク。主要観光スポットのほとんどに地下鉄でアクセスできる。

運行時間:約5:30〜23:00(路線により異なる) 料金:¥3〜9(距離により変動)

外国人旅行者向け支払い方法

  1. Alipay内の地下鉄ミニプログラム(推奨):AlipayアプリでVisaなどの外国カードを登録し、専用QRコードをゲートにかざす
  2. MetroManアプリ:英語対応、オフラインでも路線検索・乗り換え案内が使える
  3. 外国クレジットカードのタッチ決済:2026年から対応駅が拡大中
  4. 交通系ICカード(交通联合):空港や駅で購入可能(デポジット¥20)

主な路線と観光スポット

路線 主な観光スポット
2号線 浦東空港・陸家嘴(上海タワー)・人民広場
1号線 上海駅・人民広場・徐家汇
10号線 豫園・虹橋空港・上海図書館
11号線 虹橋鉄道駅・上海迪士尼(ディズニー)
12号線 上海美術館・天潼路

DiDi(滴滴出行)タクシーアプリ

中国版ライドヘイリング。UberやGrabに相当するサービスで、上海での移動を格段に便利にする。

外国人向けの設定方法

  1. DiDiアプリをダウンロード(またはAlipay内のDiDiミニプログラムを使う)
  2. 外国の電話番号でアカウント登録
  3. AlipayまたはWeChat PayにVisa/Mastercardを登録して紐付け
  4. 英語インターフェースに切り替え

料金目安

距離 料金 円換算
4〜6km(市内短距離) ¥10〜20 約135〜270円
10〜15km(中距離) ¥25〜40 約340〜540円

使い方のコツ

  • 目的地は英語で検索可能(「The Bund」「Yu Garden」等)
  • 空港・駅では指定乗り場(地図上に表示)からの乗車が必要
  • チップは不要

市内間・近郊都市への高速鉄道

上海は中国高速鉄道(高铁)の主要拠点。上海虹橋駅が主要ターミナル。

目的地 所要時間 料金(2等席目安)
北京 約4時間30分 ¥550〜800(約7,400〜10,800円)
杭州 45分〜1時間 ¥75〜150(約1,000〜2,000円)
蘇州 約30〜45分 ¥50〜100(約675〜1,350円)
南京 約1時間 ¥99〜150(約1,340〜2,025円)

チケット購入

  • 公式アプリ「12306」(英語対応あり)またはCtrip(携程)から事前購入可能
  • 駅の窓口でもパスポートを提示して購入可能

交通費の支払い準備

上海を旅行するにあたり、最大のハードルはスマートフォン決済のセットアップだ。

最優先準備

  • **Alipay(支付宝)またはWeChat Pay(微信支付)**のアカウントを作成し、外国クレジットカード(Visa/Mastercard/JCB)を登録する
  • 日本にいる間に設定・テスト決済まで完了させておく

2026年の現状

  • Alipay:1回のチャージ上限¥10,000、外国カードから3%手数料あり(¥200以上の決済)
  • WeChat Pay:1取引¥6,000、月間¥50,000まで対応
  • 現金(人民元):少額の緊急用に¥500〜1,000(約6,750〜13,500円)を用意しておくとよい

SIM・WiFi 事情

方法 内容
中国SIM購入 空港到着ロビーにChina Mobile・China Unicom等のカウンターあり
海外SIM・eSIM 日本から「中国対応SIM」を購入して持参する方法も。ただし中国ではVPN規制があることを念頭に
VPN 中国ではGoogleマップ・LINE・Instagram等がブロックされている。VPNが必要ならも日本で準備して持参すること(中国現地でのVPNアプリのダウンロードは困難)

旅行者向けTips

  • Alipayの登録は日本出発前に完了させること。上海でのセットアップは言語・認証の壁がある
  • リニアモーターカーは「乗り物体験」として一度乗る価値あり。ただし市内中心部から遠い点を理解した上で使う
  • DiDiは英語で住所・ランドマーク名を入力できるため、言語の壁が低い
  • 地下鉄は朝8:00〜9:00と夕方17:30〜19:30が混雑のピーク。タクシー/DiDiの方が快適な時間帯もある
  • 上海と北京の間の新幹線は「動車(D)」より「高速動車(G)」の方が速い

空港バス(機場巴士)— 地下鉄・リニアの代替手段

浦東空港から市内中心部へは、地下鉄・リニア以外にも空港シャトルバスが複数路線ある。

路線 経由地 所要時間 料金
1路線(機場1線) 延安路高架〜靜安寺〜虹橋空港 約75〜90分 ¥24〜30
2路線(機場2線) 四川北路〜中山北路〜虹橋空港 約90分 ¥22〜30
5路線(機場5線) 東方路〜浦東大道 約60分 ¥20
7路線(機場7線) 上海火車駅(上海駅)方面 約75分 ¥23

利点: 地下鉄より座れる・荷物置き場あり。欠点: 渋滞で大幅遅延の可能性あり。深夜便は本数が少ない。 料金はAlipay/WeChat Payで支払いが基本。

観光スポット別地下鉄アクセス

観光スポット 最寄り駅 路線
外灘(バンド) 南京東路 / 天潼路 2号線 / 10号線
豫園(ユーガーデン) 豫園 / 老西門 10号線
上海タワー(陸家嘴) 陸家嘴 2号線
新天地 新天地 10号線
田子坊(アート村) 打浦橋 9号線
上海ディズニーランド 迪士尼 11号線
M50(創意園区) 昌化路 13号線
人民広場・上海博物館 人民広場 1号線 / 2号線 / 8号線

虹橋駅(Hongqiao)— 新幹線の主要ハブ

上海虹橋駅(Hongqiao Railway Station)は高速鉄道(高铁)の主要ターミナル。空港と隣接しており、同じエリアに虹橋空港(国内線)もある。

  • 地下鉄アクセス: 2号線「虹橋火車站」駅または10号線「虹橋2号航站楼」駅
  • 南京、蘇州、杭州、北京方面の高速鉄道がここから発着
  • チケット購入: 12306アプリ(中国鉄路公式)またはCtrip(携程)。窓口でパスポート購入も可
  • セキュリティ: 乗車前に荷物X線検査とパスポート確認あり(15〜20分の余裕を持つこと)

上海には虹橋以外にも**上海駅(Shanghai Railway Station)上海南駅(Shanghai South)**がある。目的地によって発着駅が異なるため、チケット購入時に確認必須。

Alipay・WeChat Pay の実用セットアップ

上海旅行の最大のハードルが決済準備。2026年時点での外国人向け設定フロー。

Alipay(支付宝)

  1. 日本でApp Storeから「Alipay」をダウンロード
  2. 外国の電話番号(日本の携帯番号)で登録
  3. パスポートによる本人確認(アプリ内)
  4. Visa/Mastercard/JCB を登録し、少額テスト決済を完了
  5. 1回のチャージ上限: ¥10,000(約135,000円)
  6. 手数料: 3%(¥200以上の利用の場合)

WeChat Pay(微信支付)

  • 1取引最大¥6,000、月間¥50,000まで外国カードが使用可
  • WeChatアプリ内の「银行卡(銀行カード)」から登録
  • QRコードをスキャンまたは提示して支払い

現金(人民元)は緊急用に: 少額の緊急用として¥500程度を用意。市場や小規模な露店では現金しか使えない場所もある。

移動アプリ一覧

アプリ 用途
MetroMan 上海地下鉄のオフライン路線図・乗換案内(英語対応・おすすめ)
DiDi(滴滴出行) タクシー・Expressの配車。英語UI対応
12306 高速鉄道チケット予約(要中国語環境の設定注意)
Ctrip(携程) 英語対応の旅行予約。新幹線・ホテル・観光
Alipay 決済・地下鉄QR・DiDiミニプログラム
Google Maps VPN使用時のみ使用可。なければBaidu Mapsがオフライン代替

上海の地下鉄セキュリティ

上海のすべての地下鉄駅では入口で荷物のX線検査がある。

  • 全ての改札前で、手荷物をベルトコンベアに乗せてX線検査
  • 液体、ライター等の制限品あり
  • ラッシュ時(8:00〜9:00、17:30〜19:00)は検査で混雑するため、時間に余裕を持つこと
  • 所持禁止物: 可燃物・花火・危険物(刃物)

更新履歴

  • 2026-03-27: 空港バス路線・観光スポット別アクセス・虹橋駅・Alipay設定・移動アプリ・セキュリティ情報を追加
  • 2026-03-24: 初版作成